令和8年の3月定例議会にあたり、施政方針を述べさせていただきます。
先日閉幕したミラノコルティナオリンピックでの日本選手団の活躍は、目を見張るものがありました。結果として、冬季オリンピックにおける過去最多のメダルを獲得するなど、暗い話題が多い中に、国民に多くの勇気と元気を与えた大会となりました。
また、先に行われた衆議院選挙では、与党である自民党が大幅に議席を伸ばしました。これも現政権に対する期待の表れであると感じます。今なお続く物価高や経済対策、不透明感の増す外交問題など、山積する課題を一つずつ確実に解決に導くことを期待しております。
さて、南小国町においては、少子化や高齢化による人口の減少、またそれらから起因する担い手や人手不足、保育園や小中学校の今後のあり方、公共交通の問題など多くの諸課題を抱えております。さらにそれらに加えて、近年の物価高は、町民の生活や各産業に多大な影響を及ぼしています。
私たちは、それらの諸課題に真摯に向き合い、町民のため、町の未来のために為すべきことを着実に進めて参ります。そのためにも、職員や議員の皆様方と知恵を出し合い、町としてできることは責任を持って進めるとともに、国や県、民間企業などのお力もいただきながら、町民皆様の満足度・幸福度の向上につなげたいと考えます。
令和8年度の予算編成で重きを置いた点は、大きく二つあります。
一点目は、「町民が安心して暮らせる環境づくり」です。
主なものとして、これまで、一部ご負担いただいておりました小中学校の給食費ですが、国による小学校の給食費無償化に伴い、中学校の給食費も無償化とさせていただきます。あわせて、家庭での保育を支援する「家族のぬくもり応援金」や中学校を卒業され、高校など新たな生活を始められる方への「新生活応援準備金」を計上しております。
また、公共交通のあり方に関しては、現在、国からの地方創生伴走支援官と様々な事例などを踏まえ検討をおこなっており、3月下旬の最終会議の結論を受け、方向性を出し、令和8年度から取り組みを進めていく予定ですが、一旦は、これまでおこなってきたタクシー利用助成事業を継続しながらも、制度の見直しをおこないます。具体的には、年度途中で50枚を使い切った利用者に、秋頃の予算残額の範囲内で追加交付をおこなうよう計画しております。
次に、水道事業についてですが、2月10日から11日に実施しました、一部地域における計画断水については、ご利用者の皆様に多大なるご迷惑をおかけしましたこと、を心よりお詫び申し上げます。今後、そのような状況にならないよう、市原地区新規水源工事を現在発注しており、令和8年度中の完成を目指しております。あわせて、黒川第一配水池増設工事および送水管布設工事の測量設計を進めており、令和8年度に工事を発注し早期完成を目指します。
現在の南小国町は、全人口に占める外国人の比率が県内でもトップクラスにあります。そのような中、外国人の方々に南小国町での生活を少しでも快適に、また安心して過ごしていただけるよう、「言葉の教室」と「交流会」を実施したいと考えております。
次に、予算編成で重きを置いた二点目は、「挑戦を生み出す町づくり」です。
主なものとしては、農業担い手育成事業補助金を増額するとともに、要件の見直しをおこなっております。これは、定期的におこなっております、農業者を中心とした意見交換会で出された意見をふまえたものです。これにより、未来に向けた南小国町の農業の礎を築く一助となることを期待しております。
また、最適土地利用総合対策事業のエリアを、赤馬場・満願寺地区へと拡大して参ります。農地の集約や整理をおこない、大切な農地を荒廃から守りながら生産力を高め、稼げる農業の土台を築きたいと考えます。
最後に、予算の計上はありませんが、役場職員の地域内兼業をスタートさせます。具体的には、SMO南小国が運営するしごとコンビニへの登録をおこなう方向で検討しており、休日や業務時間外に町内の農業や宿泊施設、小売業などの現場で働くことを許可します。職員が役場の外に出て、一人の住民として、労働者として地域の現場に身を置くことこそが、最高の研修になると確信しています。職員に期待することは三点あります。
まず、現場の課題を肌感覚で理解してもらい施策立案につなげること。二点目が、労働を通じて事業者や町民と、より深い信頼関係やつながりを築くこと。三点目が、民間の感覚や多様な働き方に触れ、視野を広げることです。職員が役場という組織の枠、公務員という立場の殻を破り、地域の中に飛び出していく。その経験が職員自身を成長させ、ひいては南小国町の未来や可能性を切りひらく原動力になると信じています。「公務員がもっと自由に、もっと地域と混ざり合う」そんな新しい地方公務員のあり方を、ここ南小国町で実現して参ります。
それでは次に各課局からの主な取り組みを説明します。
まず、総務課関係です。
平成20年度から始まったふるさと納税の寄附付額は、令和5年度が11億7,631万円、令和6年度が11億9,456万円、令和7年度は現在約14億5,000万円の寄附があり、令和8年度当初予算も10億円の寄附付を見込んでおります。
ふるさと納税については、令和8年4月から寄附付者が寄附金の使途を選択可能となるようにページ改修を進めており、これまで"町長おまかせ"一択のみだった寄附金の使い道を、子育て支援や教育・防災対策等5種類の使い道の中から選択可能とすることで、多様な地域課題への対応を図り、町の取組みへのさらなるご理解と応援をいただけるよう努めてまいります。
これからも制度の趣旨に沿った適正な運用を継続するとともに、市場や寄附者の動向を注視し、各種イベント等での周知強化により、寄附額の増加と関係人口の拡大を目指します。
防災面では、南海トラフ地震のほか、大雨、台風などによる大規模災害に備え、令和7年度には町の備蓄品や災害対策機器を購入し対策の充実を図り、町民の皆様に対しては、自治会への防災講話・講習の職員派遣やケーブルテレビの番組を通じて自助・共助に関する意識の高揚を図ってまいりました。
このような取組を継続し、町民の皆様の安全確保に努めるとともに、今後は関係各所と協力し、観光客や外国人の安全確保に向けた取り組みにつきましても進めてまいりたいと考えております。
農協跡地の利活用に関しては、昨年6月に2回目のアンケートを実施し、子どもから大人の方々・多世代が交流できるような複数の機能・用途を有する「複合型施設」が望ましいという多くのご回答とともに、具体的な施設種別として回答数が多い順に「図書館、多世代向け学習・カルチャースクールスペース、フリースペース、町民センター」「公園」「レストラン・食堂、カフェ」とのご回答をいただきました。
現在、アンケート結果及び農協跡地利活用検討委員会でのご意見を踏まえ、令和7年度末の完成に向けて「基本構想」を策定しているところです。
令和8年度においては、基本構想をより具体化した「基本計画の策定」と、官民連携の可能性を調査・検証する「PPP/PFI可能性調査」を計画しております。
まず、基本計画に関しては、町民ワークショップを開催しご意見をお伺いし、施設機能・諸室面積、配置計画・構造の比較、概算事業費の検討及びイメージパースの作成を行います。
あわせて、関係課局の係長級以上の職員で構成する庁内会議を組織し、複合型施設に組み込む施設・機能について詳細な検討を行います。
次に、「PPP/PFI可能性調査」に関しては、地方公共団体等が直接実施するよりも効率的かつ効果的に、より質の高い公共サービスの提供を目指すという官民連携PPP/PFI手法を目指して、官民連携の事業実績がある民間事業者、あるいは公共施設整備実績を有する民間事業者等を対象として、基本計画の内容に基づいてPPP/PFIの可能性についてヒアリングを行い、事業手法、概算事業費及び事業期間、リスク分担等について検討し、最適な設計・整備・管理運営手法を導き出します。
令和8年度は、十分な庁内連携により施設・機能を確定し、密なコミュニケーションにより民間事業者等の意向を引き出し汲み取り、PPP/PFI手法での複合型施設の整備・建設の道筋を整えたいと考えております。
次にまちづくり課関係です。
本町にとって人口減少と少子高齢化は大きな課題であり、移住定住の促進は最重要施策の一つと位置付けております。
引き続き、移住定住支援コーディネーターの配置により、情報発信や相談体制の充実、家屋所有者への意向調査、空家の実態調査による把握、空家台帳の整備、空家バンクの拡充に取り組むとともに、移住希望者が利活用できる物件を対象に補助事業を実施します。
さらに、福岡市をはじめ東京・大阪圏での移住定住相談会に参加し、町の紹介動画や暮らしのウェブマップ等を活用して、南小国町への関心をもつ方々の相談に丁寧に応じることで、移住定住につなげてまいります。
移住定住希望者の住居問題の解決を図る『移住定住促進空き家活用住宅』は、すでに3件入居いただいており、令和7年度に1件、令和8年度にも2件の改修工事を計画しておりますので、改修後には速やかにご利用いただけるよう取り組んでまいります。
これらの取組みにより、空家の活用や移住促進の取り組みは一歩ずつ進んでいますが、いまだ受け皿の不足は否めません。その他の移住者向け専用住宅の整備は、建設用地や整備手法に課題が多いものの、検討を加速し、早期実現を目指します。
広報営業プロジェクトチームは、令和8年度も東京・大阪・福岡などの都市部を中心に「南小国町」を売り込み、観光にとどまらず、関係人口の創出や、ふるさと納税・企業版ふるさと納税などにも繋げてまいります。
特に、令和8年度から創設されるふるさと住民登録制度の動向を注視し、関係人口創出に向けた新たな施策を検討し、地方創生・町の活性化につながる取り組みを行います。
商工振興では、昨年度途中より創設した「南小国町製造・加工事業者創出促進事業補助」を継続し、事業者数が少なく減少傾向にある製造・加工業の裾野拡大と、町外事業者の新規参入を促します。
町内の農産物や木材などの一次産品が町外で製造・加工されることなく、町内で製造・加工・販売につなげ、ふるさと納税の返礼品としても伸ばしていければと期待しており、町内で経済の好循環を生む事業展開に努めます。
あわせて、町内で生産された商品の外販を後押しする「町内事業者販路開拓支援事業補助」も引き続き実施していきます。
情報関連では、国の自治体DX推進に伴う各種手続のオンライン化や多言語対応、窓口業務のスマート化を進めるとともに、総合行政、情報システムの標準化・共通化に引き続き取り組みます。
また、県の共同利用システムを活用し、文書管理・電子決裁などの運用改善を図り、文書のデジタル化を加速させるとともに、総合行政システムや機器の更新・最適化を行うことで、町民の利便性向上と行政事務の効率化を両立させます。
次に町民課関係です。
国民健康保険については保険料の県下統一への動きが進んでおり、後期高齢者医療保険については令和8年度に保険料の改定が行われます。6月には、診療報酬の改定も予定されており、疾病の予防、早期発見・治療、重症化予防などの保健事業の充実が必要となりますので、町の疾病状況を細かく分析しながら、国民健康保険、後期高齢者医療共に医療費の増加により町民の皆様の負担が増大することのないよう、担当者並びに保健師・管理栄養士が、保健事業に積極的に取り組んでまいります。
マイナンバーカードについては、健康保険証、運転免許証との一体化など、活用の場が広がっており、今後更に活用が進んでいくと考えられますので、便利で利用し易い窓口の実現に取り組むとともに、混乱の無いよう、新しい情報に関しての細やかな周知と対応を行います。
こども家庭センターについては、設置後3年目に入ります。引き続き妊娠中から出産・子育てに関する悩みや不安の相談窓口として、対象者に寄り添いながら伴走型支援を行っていくとともに、新たに結婚生活支援にも取り組んでまいります。
次に福祉課関係です。
地域福祉関連事業といたしましては、町民の抱えるニーズや悩みの早期発見・早期対応に努めるとともに、複雑化・複合化した困難課題への効果的な対策を講じるため、社会福祉協議会や関係機関との連携を強化することにより、支援を受けられず孤立することのない、切れ目のない包括的な相談支援体制を整備いたします。
子ども・子育て関連事業といたしましては、令和8年度から4年間を計画期間とする南小国町こども計画を策定いたしました。
すでに展開を進めている第3期子ども・子育て支援事業計画に基づく施策に加え、子ども、若者のライフステージに合わせた子育て支援の充実に向けた新たな取り組みとして、家庭での保育を支援する「家族のぬくもり応援金」や、高校入学時の支援として「新生活応援準備金」の実施を計画しております。
障がい者福祉関連事業といたしましては、相談支援体制の充実により適切なサービスにつなげることができ、利用者が増加傾向にあります。令和8年度中に第8期南小国町障がい福祉計画および第4期南小国町障がい児福祉計画を策定し、必要なサービス体制の確保に努めてまいります。
高齢者関連事業といたしましては、3年間を計画年度とする高齢者保健福祉計画・第9期介護保険事業計画が最終年度を迎え、次期計画を令和8年度中に策定いたします。高齢化率は依然として高い水準でありますが、高齢者人口はゆるやかに減少しており、過疎地域の介護サービスを支える担い手不足が課題となっております。次期計画の策定にあたっては、適切な保険料と適切なサービスの質と量を見込み、継続的に介護サービスが提供できるように努めてまいります。
また、介護保険事業の大切な取り組みとして介護予防事業がございます。週2日の介護予防教室に加え、地域に赴いてのフレイル健診等を通じ、地域包括ケアシステムをより推進させ、誰もがいつまでも地域の中で健やかに安心して暮らせる社会づくりを目指してまいります。
次に保育課関係です。
令和7年度に組織再編により「保育課」を新設し、子ども関連施策と保育現場の連携を強化する新たな体制がスタートいたしました。この新体制のもと、園児数の減少や施設の老朽化といった課題を抱える中原保育園の今後のあり方について検討委員会で審議を重ねた結果、「子どもたちにとって最善の保育環境」という観点から、同園を市原保育園へ統合する旨の答申がなされました。
この答申の趣旨を重く受け止め、令和8年度は統廃合を円滑に進めるための重要な一年と位置づけます。
子どもたちが安心して新しい環境に移行できるよう、保護者の皆様との対話を重ねながら、新たな保育の形を構築してまいります。
また、近年は全国的に「小1プロブレム」が課題となっています。これは、子どもたちが小学校入学後の環境変化に馴染めず、学習や生活に不安を抱えてしまう問題です。この課題解決に向け、年長児から小学校1年生までの2年間を「架け橋期」と位置づけ、保育園と小学校が協働してカリキュラムを編成します。
幼児期の「遊びを通じた学び」と児童期の「教科等の学び」を有機的に結びつけることで、子どもたちの知的好奇心を育み、円滑に学校生活へ移行できる環境を、教育委員会と連携して整備してまいります。
次に税務課・会計室関係です。
まず、地籍調査事業につきましては、令和7年度末時点における一筆地調査の進捗率は、86.8%となっております。令和8年度は大字満願寺の山鳥川、米ノ尾、深久保の3地区を調査する計画です。今後も土地所有者ならびに地元の皆様のご協力を仰ぎながら、早期完了へ向け取り組んでまいります。
自主財源の根幹であります町税につきましては、「適正かつ公平な課税と徴収」を基本とし、税以外の各種保険料や使用料など、関係各課との連携による収納事務の効率化を図るほか、熊本県や阿蘇管内市町村との協定に基づく徴収対策を行い徴収率の向上を目指します。
また、滞納整理につきましては、引き続き実態調査による預金や財産等の差押えを進めていく一方で、収入の減少などで納税が困難な方に対しては、実情に応じて納期の猶予や分納など柔軟に対応してまいります。
昨年12月に税務課とまちづくり課が事務局となり「南小国町持続可能な観光地域づくり財源検討委員会」を立ち上げ、有識者や宿泊・観光関係団体の皆様と、先進地域の事例や「入湯税」「宿泊税」等のあり方、その使い道などの意見交換を進めております。関係者の皆様の多様な意見をふまえながら、令和8年度中に方向性を見出したいと考えております。
会計室業務については、令和5年4月にコンビニ収納システムを導入し、多様な生活スタイルに応じた収納環境を提供することにより、町税や使用料などの納付の利便性向上を図りました。
これにより、役場窓口や各金融機関に出向く手間や、営業時間に左右されることなくコンビニエンスストアやご自身のスマートフォンにより納付することが可能となったため、コンビニ収納による納付については、本年1月末現在で金額・件数ともに導入初年度の同時期と比較して約40パーセント伸びており、今後の収納率のさらなる向上を期待しております。
最後に、町の貯金にあたる各種基金につきまして、令和5年度より一部債券による運用を開始しました。これは、国のゼロ金利政策が見直され、ここ2年ほどは段階的に普通預金や定期預金の金利も上昇傾向にありますが、未だ低金利であるため、安全でより効率的な債券での運用を行うものです。今後も、基金の活用状況や残高を考慮しつつ、効率的な運用に努めてまいります。
次に、農林課関係です。
農業は本町の基幹産業であり、この美しい景観と私たちの食卓を支える、いわば町の「誇り」そのものです。しかし、依然として続く資材の高騰や気候変動など、農家の皆さまの努力だけでは乗り越えがたい厳しい状況が続いています。
令和8年度は、この困難を乗り越え、次代へ繋ぐためにも、町独自の「農業担い手育成事業補助金」などを通じて、単に今の形を維持するだけでなく、経営の効率化や規模の拡大、そして次世代へのスムーズな継承といった、将来を見据えた前向きな挑戦を力強く後押ししたいと考えております。
新たな取り組みとしては、昨年度より中原地区で開始した国の「最適土地利用総合対策事業」を、今年度は赤馬場、満願寺地区へと拡大してまいります。この事業を通じて、耕作が困難になりつつある農地を集約・整理し、意欲ある担い手が効率よく農地を活用できる環境を整えることにより、大切な農地を荒廃から守りながら町全体の生産力を高め、次世代が「稼げる農業」を展開できる確かな土台を築いてまいります。
また、次代を担う新たな力の確保に向けては、国の支援施策を積極的に活用し、就農時の初期費用や生産基盤の整備を力強くバックアップしていくとともに、令和8年度は、本町独自の「新規就農研修プログラム」の試運転を開始いたします。
畜産振興については、畜産業は、耕種農業と並び本町を支える大きな柱ですが、飼料価格の高止まりに加え、繁殖母牛の減少による子牛価格の高騰は、肥育農家の皆さまの経営を強く圧迫しています。
令和8年度は、この苦境に立つ畜産経営を守り抜くため、現場の負担を少しでも軽減する実効性のある支援に注力いたします。
具体的には、優良な牛を育てるための導入支援や精液の助成、施設整備への支援を継続するとともに、畜産経営に欠かせない獣医師の確保にも引き続き取り組み、肥育農家の皆さまが安心して牛と向き合える環境を整えます。
また、ひとたび発生すれば甚大な被害をもたらす家畜伝染病から町を守るため、防疫意識をさらに高め、関係団体との強い連携のもと、水際での対策と監視体制の強化に努めてまいります。
最後に、林業振興についてですが、本町の面積の約40%を占める小国杉の人工林は、戦後の大造林期を経てその多くが伐採適齢期を迎えています。
しかし、一人親方などの林業従事者の高齢化などが進み、今後半数の方が5年以内に引退を考えておられるなど、後継者育成が喫緊の課題となっており、近年激甚化する災害対策のためにも、山林の適切な伐採や植林及び管理など、山林所有者の方々の協力を得ながら重点的に取り組む必要があると考えます。
これらの課題解決に向けて、本町では担い手育成及び山林管理の手法の一つとして「自伐型林業」の普及を進めています。地域おこし協力隊制度や地域林政アドバイザー事業を活用しながら新しい人材の流入と技術継承、災害の起こりにくい山林づくりに繋げてまいります。
また、いざ災害が起きてしまった場合の仮設住宅としての利用及び地産木材の活用を目的とする「モバイル建築」による施設整備に取り組みます。小国杉製材の地域内利用、また有事の備えとして活用の幅が期待できる新規事業として展開してまいります。
有害鳥獣による農林業への被害は、町民の方々の心がけやご尽力により対策は飛躍的に向上しているものの、依然大きな影響を受け続けております。
「えづけSTOP対策事業」による集落毎の地域点検等を今後も継続し、地域住民の自助・共助による対策をより強化することで、有害鳥獣そのものを寄せ付けない地域づくりを目指します。
次に建設課関係です。
国道・県道関係につきましては、国道442号の瀬ノ本から大分県境までの道路改築、国道212号の大観峰トンネルを考慮した日田阿蘇道路構想について、中九州横断道路も含め、関係自治体と連携して国や県など関係機関への要望活動等を引き続き行うこととし、県道である南小国波野線、満願寺黒川線、南小国上津江線においても要望を行ってまいります。
主な町発注工事につきましては、水路改修工事は3路線、道路改良工事は町道瓜上矢田原線外7路線の早期完了を目指し、橋梁については、5年に1回の全橋梁点検の結果を踏まえた早急な対策工事を実施するともに、その他の道路施設の老朽化対策につきましても、可能な限り早期完了を目指してまいります。
町営住宅についても、南小国町公営住宅等長寿命化計画に沿い、計画的な工事を進めて行まいります。
次に、水道事業についてですが、2月10日から11日に実施した赤馬場・満願寺の一部における計画断水についてはご理解とご協力を頂き深く感謝申し上げます。これらの対策として、令和7年度より市原地区新規水源整備工事を発注しており、令和8年度の完成を目指しておりますので、引続き、関係者のご理解とご協力をお願いします。
また、現在、黒川地区、田ノ原地区、小田・白川地区、波居原地区、脇戸地区を給水区域とする黒川第一配水池増設工事及び送水管布設工事に対する測量設計を進めておりますので、令和8年度に工事を発注し早期完成を目指します。
併せて、南小国町水道施設更新計画等策定業務委託を進めておりますので、この結果を踏まえ、水道料金のあり方について検討の場を設けていきます。
最後に教育委員会関係です。
これまで同様に南小国町教育大綱を基本としながら、学校教育においては南小国町の未来の創り手を育む教育の充実を、社会教育においては、子どもも大人も学び合い、育ち合う地域社会づくりの推進を、また、地域と学校が連携・共同した活動を通して、地域全体で子どもを支えていく教育環境の整備に努めていきたいと考えております。
まず、学校教育では、キャリア教育の視点を踏まえ、南小国町の未来の創り手となるために必要な資質・能力である4つのC『コミュニケーション、コラボレーション、クリエイティビティ、クリティカル・シンキング』の育成に向けて取り組んでいるところです。「里山自然体験活動」や「まちインターン」「プレゼンテーション大会」「みらい南小国子ども会議」、また、令和7年度から新たに中学3年生を対象に実施する「宿泊体験事業」など、様々な学習の機会を通して得た経験や知識を活用し、状況に応じて児童生徒が自ら考動する力を育成して参りたいと考えております。
基礎学力の充実におきましては、小規模校の特色を活かし、児童生徒一人一人を大切にした「誰一人取り残さない学力保障」に努めて参ります。さらに、南小国町独自の教育である「出前授業」や「水育」「木育」など、学校では学べない場により、幅広い教養を身につけた児童生徒の育成に努めます。
施設面においては、老朽化した給食センターの建替えに向け、令和8年度から用地交渉や詳細設計を進めながら、令和10年度着工に向けた準備を進めて参ります。
また、2027年末までに蛍光ランプの製造が中止されることに伴い、学校教育施設及び社会教育施設の蛍光灯や白熱電球などの従来型光源を、省エネ・長寿命なLED(発光ダイオード)照明に切り替え、光熱費の削減及び学習環境の向上を図ります。
社会教育関係では、地域学校協働活動推進員が中心となり、児童生徒、家庭、地域、学校、行政の五者が連携し協働した活動に取り組んで参ります。現在、地域の方々の協力により取り組みを行っている放課後子ども教室の活動を継続し、引き続き、放課後の子どもたちの豊かな体験と居場所確保に努めて参ります。
また、中学校の部活動地域移行については、休日の地域移行を令和8年度から進めて参りたいと考えております。検討委員会での協議を踏まえ、中学校そして地域の指導者の方々との連携を図りながら、かつ生徒及び保護者の方々のご理解とご協力を得ながら進めて参ります。
今後も学校教育と社会教育の両面において「きよらの郷づくり」を基本理念とした、町民主体となった生きがいと誇りのもてる豊かなまちづくりを目指し、教育委員会と連携して取り組んで参ります。
以上、令和8年度当初予算にあたっての各課・局の主な取り組みを述べさせていただきました。
私も今年度で3期目最後の一年となります。冒頭にも申し上げましたが、山積する課題を一つずつ確実に解決できるよう、また、改善できるように力を尽くして参ります。そのためにも職員や議員、関係者の皆様と知恵を出し合い、意見を交わしながら、「町にとって、町民の皆様にとって、いま何を為すべきか?」の解を導き出していきたいと思いますので、皆様方のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げ、令和8年度の施政方針といたします。
